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ΕΚ ΤΟΥ ΜΗ ΟΝΤΟΣ

熱い自分語り

【詩和訳】ハリール・ジブラーン『狂人』より「与えることと受け取ることについて」

 東京じゃない場所で消耗してるけどハリール・ジブラーンのThe Madmanを訳したっちゃったのコーナーです。テクストはほんがたくさんなフレンズのProject Gutenberg Australia*1です。今回訳したのは'On Giving and Taking'という小品。金持ちほどケチ臭い、ってだけの話じゃないんでしょうねえ。

 

On Giving and Taking


Once there lived a man who had a valley-full of needles. And one day the mother of Jesus came to him and said: “Friend, my son’s garment is torn and I must needs mend it before he goeth to the temple. Wouldst thou not give me a needle?”

And he gave her not a needle, but he gave her a learned discourse on Giving and Taking to carry to her son before he should go to the temple.

 

与えることと受け取ることについて


 むかし、一人の男がいた。彼は谷間を埋め尽くすほど沢山の針を持っていた。ある日、イエスの母が彼の許に来て言った。「すみません、息子の服が破れてしまって、あの子が神殿に行く前に、どうしても直してあげなきゃいけないんです。針を一本いただけますか?」

 だが、彼は針を与えはしなかった。代わりに、与えることと受け取ることに関する学術的な講話を聴かせ、神殿に向かう前の息子にそれを伝えさせた。

 

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)