ΕΚ ΤΟΥ ΜΗ ΟΝΤΟΣ

熱い自分語り

【歌詞和訳】Mitchell Parish / Deep Purple

 敬愛する戸田誠二の『音楽と漫画と人』の中に、「Deep Purple」という掌編が収められています。イギリスのハードロックバンドであるDeep Purpleのバンド名が、この記事で紹介する曲のタイトルに由来しているという逸話を軸に、音楽を通して人と人が繋がる姿を簡潔に、でもとても美しく描き出した名品です。これを読んですぐ、件の曲を探して聴き、その麗しさにすぐ魅了されました。

 このたびここで歌詞を訳してみたのですが、旋律に劣らずドラマチックな内容でした。訳しながら、これStardustっぽいなあと思って調べてみたら、なんと作詞者が同じというサプライズ。Mitchell Parishという方で、この曲やStardustに加え、Sweet Lorraine、Stars Fell on Alabama、Moonlight Serenade、Sleigh Rideなんかの作詞も手がけているそうです。まさしく二十世紀音楽史の巨人といっていいでしょう。この人の詞もこれからどんどん紹介していければなと思います。

 ここで歌われている”Deep Purple”というのは、たぶん昼と夜の間、いわゆる「マジックアワー」と呼ばれる時間に、空と地上を包むあの唯一無二の紫のことだと思います。映画「ラ・ラ・ランド」のパッケージとかによく描かれてるあの色ですね。確かに、あの紫に包まれると、どんなことが起こっても不思議ではないように思います。

 

When the deep purple falls
Over sleepy garden walls
And the stars begin to twinkle in the night
In the mist of a memory
You wander all back to me
Breathing my name with a sigh

 

In the still of the night
Once again I hold you tight
Tho' you're gone your love lives on when light beams
And as long as my heart will beat
Sweet lover, we'll always meet
Here in my deep purple dreams

 

深い紫が眠たげな
庭の壁を包み込み
夜の星が瞬き出すと
記憶の霧の最中から
きみがぼくのもとへ戻ってきて
ぼくの名前を呟く ため息とともに

 

夜の静寂の中
もういちど きみを固く抱きしめる
光が差し きみが去っても きみの愛は生きつづける
この胸が高鳴りつづける限り
いとしいひとよ ぼくたちは決して離れないんだ
この深い紫の夢の中では

 

ため息しか出ません。


The Hi Lo's - Deep Purple

 

 

しんどい時、好きな音楽を聞きながらこれを読むと、少し救われます。その少しがどれだけ重要なことか。

音楽と漫画と人 (Next comics)

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そう、この色。

Ost: La La Land

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 時代はThe Hi-Lo's。分かるよね?

Suddenly It's the Hi-Lo's / Harmony in Jazz

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