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ΕΚ ΤΟΥ ΜΗ ΟΝΤΟΣ

熱い自分語り

【詩和訳】ハリール・ジブラーン『狂人』より「二人の学者」

 ハリール・ジブラーンのThe Madmanをぐひぐひ訳しちゃうんだよねのコーナーです。テクストは我らが兄弟Project Gutenberg Australia*1です。今回訳したのは'The Two Learned Men'という話。お前らぜったい仲いいだろ。

 

The Two Learned Men


Once there lived in the ancient city of Afkar two learned men who hated and belittled each other’s learning. For one of them denied the existence of the gods and the other was a believer.

One day the two met in the marketplace, and amidst their followers they began to dispute and to argue about the existence or the non-existence of the gods. And after hours of contention they parted.

That evening the unbeliever went to the temple and prostrated himself before the altar and prayed the gods to forgive his wayward past.

And the same hour the other learned man, he who had upheld the gods, burned his sacred books. For he had become an unbeliever.

 

二人の学者


 昔、アフカルの古の都市に二人の学者が住んでいた。彼らは互いの教説を忌み嫌い、貶していた。というのも、一方は神々の存在を否定していたが、他方は信仰者だったからである。

 ある日、二人は市場で鉢合わせた。弟子たちに囲まれながら、神々が存在するのかしないのか、二人は言い争った。そして、数時間にわたる論争の後、彼らは別れた。

 その夜、不信仰者は神殿に赴むくと、祭壇の前にひれ伏し、神々に祈った。自らの道ならぬ歩みを赦し給え、と。

 そして同じ時刻に、もう一人の学者――彼は神々を信じていた――は、自らの聖典を焼き払った。不信仰者となったからだ。

 

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)