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ΕΚ ΤΟΥ ΜΗ ΟΝΤΟΣ

熱い自分語り

【詩和訳】ハリール・ジブラーン『狂人』より「賢い犬」

ハリール・ジブラーン 詩和訳

 ハリール・ジブラーンのThe Madmanをやーくーすーのーだーのコーナーです。テクストは母なる父なるProject Gutenberg Australia*1です。今回訳したのは'The Wise Dog'という話。自分も割と人のこと内心こうやって馬鹿にしたりするけど、ハリ-ルのおじさんからしたら犬っころと変わんないんでしょうねえ。

 

 

The Wise Dog


One day there passed by a company of cats a wise dog.

And as he came near and saw that they were very intent and heeded him not, he stopped.

Then there arose in the midst of the company a large, grave cat and looked upon them and said, “Brethren, pray ye; and when ye have prayed again and yet again, nothing doubting, verily then it shall rain mice.”

And when the dog heard this he laughed in his heart and turned from them saying, “O blind and foolish cats, has it not been written and have I not known and my fathers before me, that that which raineth for prayer and faith and supplication is not mice but bones.”

 

賢い犬


 ある日、猫が集会を開いているところに一匹の賢い犬が通りかかった。

 近くに寄ってみたが、猫たちは集中していて自分に気付かなかったので、犬は立ち止まった。

 すると、集会のまんなかに大きく威厳のある猫が立ち、一同を見て言った。「同胞よ、祈るのだ。何度も何度も、疑うことなく汝らが祈るならば、確かに鼠の雨が降るであろう」

 犬はそれを聞くと、心の中で嘲笑い、猫たちから離れて言った。「ああ、盲いた愚かな猫どもよ。書物にだって記されているし、俺も祖先も知っているぞ、祈りと信仰と嘆願に応えて雨と降るのは、鼠ではなく骨だとな」

 

 

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)