ΕΚ ΤΟΥ ΜΗ ΟΝΤΟΣ

熱い自分語り

【詩和訳】ハリール・ジブラーン『狂人』より「墓掘り」

 明日は休日出勤ですが知らねえわボケクソハリール・ジブラーンのThe Madmanを訳してやるのコーナーです。テクストはああ日本よりかはずっとましな労働環境なんだろうなProject Gutenberg Australia*1です。今日訳したのは’The Grave-Digger’という小品。狂人ジブラーンの面目躍如って感じのロックな作品です。やさぐれた心にはよく沁みます。俺も笑ってたいもんです。

 

 

The Grave-Digger


Once, as I was burying one of my dead selves, the grave-digger came by and said to me, “Of all those who come here to bury, you alone I like.”

Said I, “You please me exceedingly, but why do you like me?”

“Because,” said he, “They come weeping and go weeping--you only come laughing and go laughing.”

 

墓掘り


 むかし、自己が一名死んだので埋葬していたら、通りすがった墓掘りが俺に言った。「ここには色んな奴が死体を埋めに来たけど、お前のことだけは気に入ったよ」

 俺は言った。「お褒めに与り光栄だね。だが、なんで俺のこと気に入ったんだ?」

「それはな」と彼は言った。「来るときも去るときもみんな泣くもんなのに、お前だけは笑ってたからさ」

 

 

ハリール・ジブラーンの詩 (角川文庫)

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