ΕΚ ΤΟΥ ΜΗ ΟΝΤΟΣ

熱い自分語り

秋山晟『空になる青』復刊リクエスト

復刊ドットコムにて、秋山晟の幻の傑作『空になる青』の復刊リクエストへの投票を募っています。是非、一票をお願いします。

 

www.fukkan.com

作品については以下の記事で紹介しています。

 

lacondizioneoperaia.hateblo.jp

『いけない! ルナ先生』でメンタルが改善した話

 今年に入ってから色々と行動して、自分を取り巻く環境を少しずつ改善させていった。以前と比べてずっと生きやすくなったはずなのに、悩み苦しみ希死念慮は一向に減ってくれない。流石にこれはおかしいと自分の内面を精査してみた結果、小さな問題でも大きな問題でも俺の精神は同程度に悩んでいるということが分かった。これが原因か。

 考えてみよう。猛烈なパワハラ上司に当たってしまったという問題と、仕事でほんの小さな失敗をしてしまったという問題は、言うまでもなく同等ではない。後者は前者に比べれば圧倒的に些細なものだ。しかし、自分の場合、前者と後者の問題について、ほぼ同じくらい深刻に思い悩んでしまうのである。何でそういうことが起こるかというと、無駄に想像力を働かせて、小さな問題からどんどん悪い結果を引きだしてしまうからだ。小さな失敗をしてしまった場合、本当ならば、その失敗単体について、少し後悔すればいい話だ。しかし自分の場合、小さな失敗をしてしまった→周囲に失望される→周囲からのサポートがなくなっていく→さらに失敗を重ねてしまう→破滅、的な想像をしてしまい、どんどん落ち込んでしまうらしい。

 これって結構深刻な話で、努力して大きな問題を克服していって、小さな問題しか存在しない環境を勝ち取ったとしても、何か悩みの種がある限り、自分は延々と同じ程度に悩み苦しみ続ける羽目になりかねない。何とか改善させたいけれど、歪んだメンタリティを矯正するのはかなり難しい。だが、最近ある漫画を読んで、少し心が軽くなった。これである。

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 はい。『いけない! ルナ先生』。実はこの年齢になって初めて読んだのだが、葉月ルナの思考回路が完全に俺と同じなのである。ただ、それをこうやってギャグとして提示されると、あ、自分の思考ってこんなしょーもないんだなと、少しだけ気分が楽になるのだ。漫画にはこういう力もあるのだな。

 ということで、先に述べたような思考が展開されそうなときは、「あ、ルナ先生が始まったな」と努めて意識するようにしている。そうやってギャグのレッテルを貼って客観視することで、前よりも精神的な負担が減った気がする。この漫画、当時は有害図書指定を受けてかなりバッシングを受けたらしいが、こういうかたちで俺をちょこっと救ったりもしてるのよね。有害なんて軽率に言わないでほしいですわね。

 

 

【歌詞和訳つき】『ブレードランナー 2049』と"One For My Baby (And One More For The Road)"

 名高き『ブレードランナー』を観たのは何年も前のこと、大学図書館でのことだった。そこまで悪くはなかったけれど、自分にとってあまり響く作品ではなかった。当時は革新的だった世界観も、多くのエピゴーネンに触れていた自分にとっては、単なる歴史的遺物にしか思えなかったし、何よりも、主人公のデッカードにまったく感情移入できなかった。同じリドリー・スコットなら、『エイリアン』の方がずっと好きだな。そう思って終わった気がする。だから、気鋭のヴィルヌーヴが『ブレードランナー』の続編を撮ると決まり、映画界隈SF界隈が賛否両論で大騒ぎしていたときも、俺はそれを他人事のように眺めていた。そして封が切られても、結局映画館には行かなかった。今になってそれを後悔している。
ブレードランナー 2049』について語りたいことは沢山あるけれども、とりあえず今は、この ”One for my baby” に巡り合わせてくれたことを感謝するにとどめよう。まさかブレードランナーを観に行って、シナトラを教わるとは思わなかった。

 

 この曲はもともと1943年の『青空に踊る』(The Sky's the Limit)というミュージカル映画のために書き下ろされたものらしい。主演はもちろんフレッド・アステア。スタンダード・ナンバーと呼ばれるものは、起源をたどると大体アステアにたどり着く、なんて言ったら大げさだろうか。
 この曲のお披露目はなかなか強烈で、アステアはマスターに愚痴りつつ、おもむろにカウンターに立って踊りだし、最後には店を破壊し始める。アステアが映画で演じるのは大体のところ踊れるDQN。なのでこの所業にも驚きはない。ただ、儚く悲しい歌詞と、アステアのパフォーマンスはあまり噛み合ってないようだった。まあ、この場合、悪いのはアステアではなく、監督とか方なのだが。とにかく、初のお披露目の時点では、この曲の真価は発揮されていなかったように思える。
 そして、この曲に不朽の価値を与えたのは、他でもない、シナトラだった。

 

 Kががジュークボックスに硬貨を入れる。シナトラが現れ、この曲を歌い、そしてレイチェルが映し出される。完璧なシーンだ。映画と曲とが、深く深く呼応している。でも、両者のどこが対応しているか、俺はなかなか見抜けなかった。この映画を最初観たとき、”One for my baby” の “I” はKのことだと思っていた。事件が進んでいく中で、最愛の「彼女」を喪う彼は、言うまでもなく、作中の誰よりも孤独だ。しかし、ここが重要なのだが、彼は畢竟は「ジョー」なのである。そう、”One for my baby” の “I” は、Kでなくデッカードのことなのだ。愛するレイチェルを喪い、愛する娘を失い、自暴自棄になって世を捨てたデッカードを、Kは懸命に導く。その関係性が、グダを巻く ”I” と、それに付き合う “Joe” に重ね合わされているのだ。そう、Kは結局 “Joe” に過ぎず、この曲の主人公ではない。そんな彼を、この映画は主人公に選んだ。だから、俺はこの映画が好きなんだ。

 

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【歌詞和訳】Miss Annabelle Lee

 恋に浮かれて浮かれまくった男の舞い上がりっぷりがこれでもかと表現された曲。戦前に作詞作曲されたとは思えないくらいチャラチャラしてます。この "I" とやらは件のかわいこちゃんをホントにモノに出来てるんでしょうかね。適当に遊ばれてカモられてるだけなのでは。まあ、それはそれで幸福な経験だったりするんでしょうが。

 ちなみに、件のかわいこちゃんの名前はアナベル・リー。かの詩人ポーの傑作に由来しているんでしょうねえ。洒落てんなあ。あ、でも、あのアナベル・リーは最後は死んじゃったんでしたっけ。ううむ。

But our love it was stronger by far than the love
Of those who were older than we—
Of many far wiser than we—
And neither the angels in Heaven above
Nor the demons down under the sea,
Can ever dissever my soul from the soul
Of the beautiful Annabel Lee 

  なんつって。

 

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【歌詞和訳】I'll See You in My Dreams

 最近は仕事の夢を見ることが多かったけれど、気合を入れてうつくしい音楽をたくさん摂取するようにしたら、見違えるようにいい夢を見れるようになりました。こんないい曲を聴いた日にゃ、とびきりの美人の夢が見れそうです。

 

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【歌詞和訳】Yellow Magic Orchestra / CITIZENS OF SCIENCE

 YMOの大傑作アルバム『増殖』に収められた一曲。イカした曲作ってんじゃねえかよお、お前らよお。作詞は初期YMOの言語世界を支えた詩人クリス・モスデル。この歌詞がですねえ、むちゃくちゃ難しかった。とりあえず日本語に置き換えたはいいものの、何を言ってんのか全然わかんないの。たぶんまあ現代社会とか科学文明に対するある種の批評なんだろうなあとは思うのだけれど、そう装ったナンセンス詩かもしれないし、考えれば考えるほどドツボにはまるんすよ。もしかしたら、それが狙いなのかもしれん。こわいこわい。

 歌詞の途中のカギカッコでくくってるところは、実際にクリス・モスデル御本人が歌って(?)らっしゃいます。たぶん、後にも先にもこれっきり。なかなか尖ったいい声してらっしゃいます。

 とまあ、いろいろと書きたいことは山ほどあるのですが、残念ながらこの曲の話はここらで打ち止めです。マンションの一室に麻薬現行犯が潜伏しているという連絡が入ったので、これから逮捕に向かうのです。よーしここだな。警察だ!!!!!!麻薬現行犯で逮捕する!!!!!!!!!!!!!!!!!開けろ!!!!!!!!!!!!!!

 ――あ、だだだ、だぁれぇ~?

 

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【歌詞和訳】Jody Watley / Your Love Keeps Working On Me

 こないだ定食屋で飯食ってたらFMでメチャクチャ最高な曲が流れてきて、なんじゃこりゃと思って急いで調べたのがこの曲です。一途で熱くてそこはかとなくエロティック。いかにも90sなサウンドが、いま聞くとすごく新鮮ですね。

 歌詞は結構意訳してます。"I don't know what you do to me" はそのまま訳したらまあそのままなんですが、「どんな魔法を使ったの?」みたいな感じで訳してみました。意味合いはおんなじ、のはず。あと、”work on” は「~に有効である、影響する、効果を発揮する」みたいな感じらしいので、自分に有効である、効果を発揮するってので、もうちっと意味を汲み取って、~があるから自分は頑張れるー、みたいに訳してみました。

 

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